
E60 M5 MT化の秘密・コストメリットについて
2026年07月28日 23:48
当社のMT化E60M5についてお問い合わせの多い内容の一つが、MT化に用いた6速マニュアルトランスミッションについてですので、これについての解説です。
当社のMTはM3用のトランスミッションを利用しています。
型式はGS6-53BZで、北米仕様のE60 M5 MTと同型のトランスミッションです。
この型式のトランスミッションは、他にも様々な車両に搭載されているZF製トランスミッションで、例えば、E60やE61の一部のノーマルモデルや、135iなどにも使われていることになっています。
それでは、このGS6-53BZの型式を持つトランスミッションなら何でもM5のMT化に使えるかというと、海外のショップ曰く、「やってみろ。付かなかったぞ」。
M3以外に使われている他のGS6-53BZについてもすでにテスト済みで、適合しないことを確認済みだそうです。
また、EUモデルでは、E60系の540iや、550iにもマニュアルトランスミッションの設定があるため、これらのノーマルモデルの高出力エンジン用中古トランスミッションなら低コストで流用できるのでは、と聞いてみましたが、これらもやはり形状が異なるため付かないことを確認済みだそうで、実質的に、MT化に使えるトランスミッションはM3用の一択になるそうです。
どちらにせよ、135iを含めて、日本でこの型式のマニュアル・トランスミッションが中古で販売されているのを見たことがありませんので、日本でE60 M5のMT化を行うためには、ディーラーでM3用ミッションを購入するしかなさそうですが、その場合にもコアチャージと言って、使用済みのトランスミッションを返送しないとデポジットが返金されないので、ただでさえパーツ代が高額なのに、さらに余計な出費をする必要があるようです。
ちなみに、E46M3のSMGⅡのように、SMGトランスミッションから油圧制御ユニットだけ取り外してMTトランスミッションとして流用するという方法は、E60M5のSMGⅢの場合は使えません。
これは、M5用のSMGⅢの場合、そもそもギアが7段あって、初めから機械制御を前提として設計されているためギアが通常のHパターンに順序良く並べられていないため、仮にSMGミッションを手動操作しようとすると、それぞれのバラバラなギア位置を人間が覚えて、適切なギアに入れてやらなければならなくなるからです。(多分、試した例はないのでどういう配列になるのかわかりませんが)
そのため、このモデルをMT化するには必ず別途、適合するマニュアルトランスミッションを入手する必要があり、コストがかかってしまう原因となっています。
それでは、そこまでのコストをかけてE60M5日本仕様をMT化する必要があるのか、という問題ですが、これは当社の販売車両をご試乗いただければすぐに分かります。(分かりやすい宣伝ですいません。特に、通常のSMG仕様のM5に乗ったことのある方にお勧めいたします)
また、コスト面で言っても、これまで当社でもE60M5の中古車を何台か扱ってきましたが、SMGに何の不安もなくそのまま販売に回せた車両は皆無で、年式や走行距離は、このモデルに関してはほぼ関係ない(むしろ距離を走っている車両のほうが堅牢性を証明できている)というのが当社の経験則になります。
SMGを本来の性能で走らせるためには油圧ユニットを丸ごと一新する必要がありますが、それには膨大なコストがかかり、継続維持も必要になってきますが、これはどこかで高額出費覚悟で必ず行う必要があります。(それができないため、中古市場に地雷車両として放出されたり、スクラップにされています)
当社のMT化車両は、再整備されたMTトランスミッションの載せ替えで、クラッチ周りやフライホイール、スターターモーターが一新されますので、E60M5で最もトラブルを起こす部分がほぼ新品になっており、SMGのような繊細なメンテから完全に開放され、あとはクラッチの次の摩耗時期までほぼノーメンテで乗ることができるため、長い目でトータルコストを見れば必ずしも高価ではないと思いますし、この素晴らしい最初で最後のV10 M5をマニュアルで乗りこなせる歓びは、何よりも価値が高いことと思います。
おそらく、次の販売車両では今回の価格に収めることはほぼ無理と思いますので、ご興味のある方は、ぜひ車両のご検討のほうをお願いいたします。(分かりやすい宣伝ですいません)